私は、「不満や悩みは口にしないほうがいい」と、思ってました。
ところが、カウンセリングの世界では「むしろ話したほうがいい」と言われているらしい。
私は専門家ではありませんから細かい理屈は分かりませんが、どうやら人は、不満を言葉にして外へ吐き出すことで、心の中の「おり(澱)」のようなものを少し軽くできるのだとか。
しかも、誰かに「そうだよね」「わかるよ」と共感してもらえると、不思議と心がやわらぐらしい。
確かに、イライラやモヤモヤを信頼できる人に打ち明けると、胸の奥の重たい石が少し転がるような気がします。
あぁ、分かってもらえた、という安堵感。
しかし、話しすぎると妙な副作用が出ることもある。

過去の私も、調子に乗って愚痴を連発し、話が終わった頃にはさらにイライラが増していた、なんてことがありました。
まるで、自分で火に油を注いでいたようなものです。
そして忘れてはいけないのは、聞かされる側の立場です。
愚痴を受け止めるというのは、見えない荷物を肩に背負うようなもので、地味に消耗します。
「ああ、この人、今日は機嫌が悪いんだな」と察しながら相槌を打つのは、それなりのエネルギーを使うものです。
つまり、愚痴は自分の中のストレスを軽くする代わりに、相手の肩へと静かに乗せてしまう作業でもある。

そう考えると、やたらとばら撒くのもどうかと思うのです。
もちろん、何も言わずに溜め込みすぎれば、心が圧迫されてしまう。
だからこそ、愚痴をこぼすのは「ほどほど」が肝心。
お酒だって一杯二杯なら楽しくても、飲みすぎれば翌日に響きます。
愚痴も同じで、少しなら心を軽くする薬になるけれど、過剰になれば毒にもなる。
結局のところ、私がたどり着いた答えはこうです。
・・・愚痴は、ほどほどに・・・
ちょっとだけこぼして、ちょっとだけ笑って、また歩き出す。
そのくらいが、自分にも周りにも平和な距離感なのだと思います。
